事例集

経営執行支援 製造業

中部地方の中堅サプライヤーの新規事業開発・立ち上げ支援

業種:
製造業
従業員数:
231名
売り上げ規模:
約300億円
支援期間:
2022年12月~現在

創業以来、特定業界向け部品事業の一本足打法で経営していた同社では、業界の衰退が進行。いずれ会社が立ち行かなくなる危機感から、新規事業開発に着手。CXO派遣による新規事業の体制構築、テーマアップ、事業開発を一気通貫で支援。

お客様が抱える経営課題

クライアントは創業以来一族で経営してきた典型的なオーナー企業。アミューズメント業界において、部品づくりの事業を長年行ってきて、その分野では一定のポジション・シェアを確立していた。

しかし、内需依存型の業界のため、国内の人口減少や景気の停滞によって業界の衰退が進行。まだ営業利益は出せているものの、売上はじわじわと縮小傾向にあり、10年後には赤字化、事業が立ち行かなくなるリスクを抱えていた。そのため、既存事業の縮小を補う新たな事業の創出が最大の経営課題だった。

しかしながら過去に新規事業に取り組んだことが全くないため、何にどう手をつけて良いかわからない状況で逡巡。新規事業開発の支援ができるコンサルを探索する中、新規事業開発をプランニングだけでなく実行含め包括的に支援するFMI(経営執行支援部門)に魅力を感じて頂き、新規事業取組のスタートの段階からFMIがご支援に入った。

当社のご支援内容・アプローチ

大きく3つのフェーズで、2年にわたってご支援。

【フェーズ1:新規事業開発の体制づくり】 新規事業の部署、人材ともに不在のゼロからのスタートだったため、まず新規事業開発部という役員直轄の組織を設立。同部に配属するメンバーを、新規事業開発に必要な右脳の力を測定する「デザイン思考テスト」も活用しつつ、6名選抜。

同時に、新規事業開発の「軸」になる同社の中核能力を、同社の成長の歴史のひも解きや、幹部から現場までの幅広いインタビューによって炙りだし、言語化。

【フェーズ2:新規事業アイデアの幅だしと、キラリと光るアイデアの抽出】 設定した中核能力が活きる事業アイデアを、社内から多く募集。加えて、市場目線からの事業アイデアを、FMIの複数のプロフェッショナルから提出。合計で約250個の事業アイデアのプールを構築した。

たくさんの事業アイデアの中からきらりと光る筋の良いアイデアを抽出することが、新規事業の成功確率を大きく左右するというFMIの見立てのもと、アイデアの筋の良しあしをスコアリングするイノベーションテックである「VISITS Forms」を活用し、約250個の事業アイデアの中からスコアの高い上位アイデアを30スクリーニング。さらに、調査・分析やクライアントとのディスカッションを重ね、最終的には2つの事業アイデアで事業開発を進めることに決定。

【フェーズ3:事業開発およびローンチ】 FMIも「ボディオン」で常駐/半常駐し、ビジネスモデリング、事業検証、事業立ち上げという事業開発のステップをクライアントメンバーとワンチームで推進。FMIはCINO(チーフ・イノベーション・オフィサー(執行役員))、新規事業開発部長、同部次長のポジション・名刺をクライアントから頂き、顧客開拓やアライアンス交渉はクライアントの代理人として推進を行った。第一号の新規事業が、ご支援開始から2年経過してローンチ。

本件を通じて実現された成果

何もない状態から2年という比較的短期間で、1つの新規事業をローンチする成果を創出。その新規事業は現在黒字化に向けて推進中だが、同社の強みが活きていること、および近未来の社会変化を先取りしたプロダクトであることから、ここまでの市場からの反応は良く、プロダクト・マーケット・フィットが実現できそうな手ごたえが得られている。

また、事業開発の過程を通じて、クライアントの新規事業開発メンバーの人材育成や、同社にカスタマイズした新規事業開発プロセスの構築にも貢献。プライスレスな価値として、クライアントから感謝されるに至った。