事例集

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B2C企業の組織・ガバナンス改善と収益改善

業種:
消費財製造小売
従業員数:
2,495名(2024年1月末時点)
売り上げ規模:
連結991億円(2023年度)
支援期間:
2022年5月~2023年7月

収益悪化と創業者退任が同時に起きたアパレル企業に対し、その原因整理と改善策策定・実行を支援。数値の見える化・ガバナンス強化から、CSM、MD、店舗運営の業務改善、ブランド戦略に至るまでの全社トランスフォーメーションを支援。

お客様が抱える経営課題

クライアント企業は、多数のブランドを抱える消費財の製造小売企業。ビジョナリーな創業者が社長として長年経営をリードし、いくつかのブランドを短期間で大きく成長をさせてきた。一方で足元では、そのブランドのビジョンが時代の流れから外れ収益性が悪化、ファンドの元で組織・ガバンスの強化と収益性の改善を同時に行う必要がある状況となっていた。

ファンドが入った時点での組織・ガバンスの状況としては、強い創業者の影響により、ブランディングの方向性や商品企画については社員が口出しできないカルチャーが造成されており、また創業者が不得手とし意識の低かったIT、SCM、人事といった領域では、リソースが不足。収益状況を数字として正しく把握できない状況でありながら、売上拡大を強く志向する指針を出し続けていた。

また、収益状況的には、その組織・ガバナンス状況を受け、市場トレンドと違うブランディングや、弱いSCMのもと原価に対し質の低い商品を大量に仕入れる状況が発生。在庫レベルが増大と在庫処理のための値下げ販売の常態化につながり、製造原価を更に切り下げる(更に質を下げる)方向に梶を切り、更に売上減・在庫増となる負のスパイラルに突入していた。

当社のご支援内容・アプローチ

課題の元凶となっている組織・ガバナンス上の課題への対応から、その結果を受けて歪んでしまっているオペレーションの改善、戦略方向性の修正までの施策を6つの領域に整理。

また、各施策を推進するにあたり組織をどう動かすべきかの観点より、「部門横断的に現場の意見を出し合いながらじっくりと推進するべき施策」、「トップが大きな経営判断を下さないと動かせない施策」「すぐにでも実行した方が良い施策」の3つの活動アプローチに分けて支援を実行。

 

最初の3か月では、課題の抽出・整理から改善施策の方向性出しを行い。前述の6つの改善領域を導出。続く9か月では各施策に対する推進体制・推進責任者を活動タイプに合った形で組成しミッションを落としみ、進捗確認や進捗の障害を取り除く支援を実行。

 

各施策の活動タイプに分けて進捗確認や経営判断の仕組みを使い分け推進。基本はクライアント企業様の幹部が責任者となりリードする体制を構築するも、クライアント企業側で不足していた経営企画機能については、FMI側から経営企画室長を派遣。また一部のデジタル施策の立案についてもFMIの専門人材が担当。

本件を通じて実現された成果

  • 組織・ガバナンス課題と収益課題の因果関係や改善の方向性を整理・見える化し、新しく就任した社長、ファンド、経営幹部の間での共通認識を醸成
  • 収益状況をKPIレベルで正しく把握出来なかった状況であった状態に対し、月次での収益・KPIモニタリングの仕組みを構築し、As-IsとTo-beの収益構造が把握できるようになったことで、予算や各施策が目指すべき改善幅を数字ベースで議論・把握できるようになった
  • 組織間で責任の所在が不透明になっていたECのPL・在庫責任を明確化によるMD効率化、システム投資コストの見直しなど、即時実行できた施策を通じて短期的な収益アップに貢献
  • 即時実行した施策以外についても、検討推進体制の構築や具体的分析を支援。(支援期間後ではあるが)EBITの改善や在庫水準の適正化を実現
  • 支援終了直前では、新任社長と二人三脚で年度ビジョンや予算数値のとりまとめをサポート。経営企画機能の引継ぎをクライアント企業の社員に行うことで、新任社長がFMIの支援なしでも活躍できる状況を醸成